魚の見た目も悪くする寄生虫

鮮魚店などを経営していると、顧客のために美味しい魚を仕入れることを考えるのは当然でしょう。そしてそのために、サカナの見方を勉強して、自分なりの見方を身につけていくようになるようです。たとえば、サカナの見た目に注目して、魚体がみずみずしくつやのあるものや、目の澄んだものが鮮度のいい魚というのは基本として学んでいくはず。また、手に取ることができれば、鰭がピンとしていたり、魚体が垂れないで硬い状態のものは死後硬直がとけていないものなので、まだそれほど死んで時間が経っていないということも確認できるようになっていきます。
サカナの目利きを長年やっていると、新鮮さを見分けることができるようになり、それなりにこだわりを持つようになりますが、意外と見落としてしまうのが寄生虫の存在です。サカナには、いろいろな寄生虫がついています。このサカナに寄生する虫は、元気な魚にはやはり元気なものがついていて、時々食べた人にも害を及ぼしてしまうのでやっかいです。魚につく寄生するものの中で、最も有名なのはアニサキスです。最近は、ガン細胞を見分ける能力があるということで、医療業界なども注目していますが、やはりサカナを食用とする限りは、危険な寄生虫ということには変わりありません。アニサキスはマイナス20度以下で24時間以上置いておくと死んで、人間への害もないとされていますが、少々の熱や酢にも強く、知らずに食べて胃壁に食らいつかれると、嘔吐や下痢に苦しんだりします。そんなときは、すぐに医師の診断を仰ぐしかありません。
アニサキスのほかにも、さまざまな寄生虫がいて、サカナの外見も悪くするようなものもいます。サケに寄生するサケジラミはサケの皮について、見た目を悪くしていますが、取り除けば問題ないとされています。しかし、鮮魚を販売するときは、見た目も大切です。これらの存在が、サカナを美味しく感じさせないと、やはり問題なのです。ほかにも、尻尾に寄生して、尻尾を赤くさせてしまうウオノコバン、カツオの筋肉に寄生して巨大化するカツオ糸状虫などは、見つければ取り除くのはもちろん、その前に販売用からは外しておいたほうがいいかもしれません。ところで、カニの甲羅に寄生するカニビルという寄生虫は、カニの美味しさの証とされています。「仕入れの常識!ズワイガニ漁の解禁とは?ゆで方と食べ方解説も」にあるように、このカニビルがたくさんついているカニは脱皮していないので、美味しさを保っているとされているのです。カニに寄生してもあまりカニには害はなく、もちろん人間にも無害の寄生虫です。