季節の魚は定置網で揃える

魚料理好きには、季節になると食べたくなるようなサカナがあるようです。例えば、秋になるとサンマを食べたくなるのはけっこう大勢の人が共感するかもしれませんが、冬になるとカワハギの食味がよくなるというのは、魚料理ファンでないと、あまり知らないことかもしれません。サカナ好きな人というのは、こうした情報をいくつも知っていて、それが季節ごとにあったり、日本各地にあったりするのです。だから、どんなときも気になるようなサカナがいくつかあるようです。みんな大好き!さんま。仕入れの際の見極め術を紹介もためになりますね。
こうした魚料理好きのために、旬を迎えている季節の魚を効率よく仕入れる方法として注目されているのが、定置網に入るサカナをまとめて仕入れるという方法です。定置網は、同じところに設置されている網に入るサカナを獲るという漁法なので、その場所の季節ごとのサカナが獲れるのです。だから、仕入れる側としては、旬のサカナを追ってあちこちの港へと奔走する必要がなくなります。その日に獲れたサカナを買い付ければいいのです。ただ、いわゆる高級魚などが網に入ってくることは稀で、大衆魚を中心に、その地ならではのサカナが少し入ったり、普段は網から外されて海へ戻されるような魚が入るという感じで、漁の予想がつきやすいという特徴もあります。しかし、料理を提供する側は、めったに仕入れられないようなサカナが入ってたりして、新たな料理に挑戦できるといった楽しみがあります。サカナ好きの客のほうも、それを試食して批評したりして、魚好きの心をくすぐられるところがあるようです。それに、最近では、今まで見向きもされなかったようなサカナが注目を浴びるというのは時流のようなところがあり、漁の現場もいろいろ活性化しているようです。
たとえば、深海で釣れてくるアブラボウズというサカナは、脂が豊富に乗っていて、そのために、かつては食べ過ぎると下痢しやすいとされて、あまり食用としては奨めないという地区が多かったようです。しかし、最近は、クエに似た味の美味しいサカナとして、メディアにも登場しています。
魚料理好きの中には、川のサカナに思いを寄せているような人もいます。秋も深まると、河口の深場に集まる脂の乗ったハゼが天ぷらで美味しくなるというのをよく知っているのです。それは、季節ごとの川の移ろいをよく知っているからなのです。ハゼは夏場は上流でもよく釣れますが、サイズは小ぶりです。しかし、だんだん下流へと落ちていき、唐揚げサイズのハゼが、天ぷらにできるサイズにまでなったことに喜びを感じるといったことです。そして、いよいよ冬も近づくと、ハゼは本格的に海の深場へと落ちていきます。